せかい地図更新中。

模範解答はいらない、自分の答えを導く方程式

これはなんの話だ

 

 

人件費は、確かに大きい。

同じだけの利益をあげようとすれば、

単純にその分売ればいいわけじゃない。

純利益はそう多くないのだから、

少なくとも3倍は売らねばならないだろう。

 

現状の売上に加え、人件費×3倍。

あげられるのかといわれたら、

難しい。そもそも売上計上先が違うの

だから意味もない。

だとすれば、私はこの状況で

なにができるのか?

 

第一に考えられる道は、

コストカット策として雇い止めを

受け入れること。

つまり、自分の仕事が増えるわけだが

それはかまわない。

新しいことを覚えるのも楽しいと思う。

なにより、業務の一部になれば

やるほかない。

「今回は仕方なかったね、

次はここよりいいところに行けるよ。

ここなんてどうせ……」

そんな言い訳をしながら、彼らの犠牲の上に

私は給与をもらい休みをもらい

ひとまず安定した雇用を保障され

次の休暇の予定をたてるのだ。

 

次に考えられる道は、必要性を

説くこと。つまり、コストに見合う

仕事をしていると第三者的に証明する

ことだ。見えていない業務を

明らかにした上でこれからも

必要であるととく。

少しはプラスになるだろうが、

費用対効果があることを証明できるとは

思えない。そもそも、費用が高すぎる故に

見合う仕事になっていないと

私自身思っているのだから。

もちろん本人がそれだけもらっている

はずはない。いわゆる中抜きで

ガッツリ持っていかれているのだ。

 

雇用システムの問題は深刻だと思う。

さぼっている訳でもなく、むしろ

これから続けていこうという

気概に満ちているのに、それとは

かかわりなく戦略の流れで簡単に切られる。

人を人と思わなくさせるのは、

雇用システムという環境によるのだと

つくづく思う。切ろうとしている側も

別に非人道的なわけではない。

競争化がすすむにつれ、

コスト意識も強まるし、人件費は

コストとして大きい故に真っ先に

手を入れるのはある意味当然だ。

 

労働力=金の図式は、労働者も

そうでない人も落ち着かなせない。

AIがさらに台頭してくれば

今他人事のように語る私も

文字通り他人事ではなくなるだろう。

人類は生存競争に勝てるだろうか。

食べ物もいらず、無駄口も叩かず

休みなく働ける彼らのほうが

人間以外の生存者にとっては

有難いように思う。全存在者のことばが

翻訳できるようになり共通言語が

見いだされればどうなるだろう。

これまでの残虐な行いを償うべく、

弁償しながら縮こまって生きる未来も

あるかもしれない。

 

 また飛躍してしまった。

でもやはりいちばん気になるのは、

どのように心のなかで物語を展開し、

いかにそれを言葉化して世界を拓くのか

ということ。未知の世界は

とても惹かれる。これは他人事だから

ではなく、自分が深刻な状況に

置かれてもまず思うだろうという

確信がある。絶望している自分を

観察している自分がいるはずだ。

その語り部が物語の観客であり、

世界とせかいをつなぐ立役者。

私のなかの語り部は、かなりアウトロー

感が強く、ド派手で大袈裟で

馬鹿馬鹿しい、そしてみたことのない

展開を好む。「…いいねぇ」と

唸らせたいがために、危険な香りの方を

選んできたのかもしれない。

それは、悔しいけど愉しかった。

そしてもっと悔しいことに、

これからもそういう選び方をするだろう。